加賀いけだ皮膚科|加賀市文化会館となり

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太田母斑(青あざ)

太田母斑(おおたぼはん)は、1939年に太田正雄が世界で初めて報告した顔面に生じる青あざの一種です。症状は青灰色から褐色の色調の皮膚変化が顔の片側の三叉神経の支配領域(目の周りや頬骨、鼻周り、おでこ)に現れます。発症部位の頻度は下まぶた、こめかみ、上まぶた、頬、おでこ、鼻の根本(鼻根部)、横鼻(鼻翼)の順番となっています。通常は片側性ですが5~8%は両側性に色素斑が出現するといわれています。褐色調の色調が強い場合は茶あざとしばしば誤診されるケースがありますが、太田母斑は境界が不明瞭なことが多いので、色素斑の境界が鮮明か不鮮明かを観察すれば鑑別は可能です。また、粘膜色素沈着が眼球の白眼に生じることもあります。これを眼球メラノーシスといいます。一般的に遺伝性はないとされています。太田母斑の発症率には人種差があり日本人を含むアジア人に多く、日本人の発症率は0.4~1.1%とされます。患者さんは女性の方が多く、男性の4.5倍~5倍ほどの頻度です。一般的に乳幼児や思春期に発症するケースが多いですが、成人になっての発症の報告もあります。

太田母斑の特徴

太田母斑では、真皮という皮膚の深いところにメラニン色素をもつメラノサイトという細胞が存在し青くみえます。

太田母斑の無治療での経過

一部の患者さんでは自然経過で色調が多少薄くなることが報告されていますが、基本的には太田母斑は自然に消退することはありません。むしろ、乳幼児期に生じた太田母斑の半数は、思春期に色素斑の拡大もしくは増悪がみられ、そのピークは15歳~18歳とされます。通常は20歳以降は皮疹の増大や拡大がみられないのが普通ですが、20歳以降に皮疹の増大・拡大がみられるケースもあり注意が必要です。

太田母斑のレーザー治療

太田母斑では、皮膚の深いところ(真皮)にメラニン色素をもった細胞が増えているのでこれらを消していくことが治療となります。加賀いけだ皮膚科で採用しているQスイッチルビーレーザー保険適応であり、徐々に青色を薄くすることができます。

保険適応で3ヶ月以上間隔をあけて5回前後の照射が必要となります。レーザー治療を進めていくとしだいに色調は薄くなります。照射後かさぶたなどができる場合がありますが、その場合は1〜2週間程度でかさぶたがはがれます。
当院では照射後2週間前後で照射後の経過をチェックさせていただくために、再診していただくことが多いです。

また、通常は1、2回のレーザー治療では、患者さん自身ではあまり色調の変化に気が付かないことが多く、少なくとも2~3回ほどレーザー照射して色調の改善が目に見えて分かるようになります。部位によっても改善のスピードが異なり、こめかみや鼻の横(鼻翼部)は比較的早くレーザー治療の効果が出ることが多いともいわれています。

特に乳幼児の時は、皮膚も薄くレーザーへの反応がよく、回数を少なく治療できます。ただ太田母斑の青みが成長に従って新たに出てくることもあるので注意が必要です。具体的には思春期頃に再発する場合がしばしば見られます。もちろん、再発した際には再度レーザー照射をすることで治療することは可能です。

なお、日焼けをしていると、レーザーの治療ができないことがあるため、レーザー治療の前後日焼け対策をするとよいです。

太田母斑はレーザー治療によって、かなり薄くできることもあるため太田母斑でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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