加賀いけだ皮膚科でのアトピー性皮膚炎治療に関して
加賀いけだ皮膚科では湿疹、アトピー性皮膚炎の治療に力を入れております。塗り薬や飲み薬の治療だけでなく紫外線治療も可能です。紫外線治療は全身でも悪化部位だけピンポイントでも照射することが可能なナローバンドUVB(JTRAC)を導入しています。紫外線治療は保険治療でうけることが可能です。また、しっかりと塗り薬を塗っていたり、紫外線治療を行っても難治性の場合は自己注射で治療できる生物学的製剤(イブグリース、デュピクセント、アドトラーザ、ミチーガ)の導入やJAK阻害薬(リンヴォック、オルミエント、サイバインコ)などの導入も可能です。生物学的製剤やJAK阻害薬の導入が可能なため、クリニックでありながら、総合病院や大学病院と同水準の治療を受けることができます。加賀いけだ皮膚科のアトピー性皮膚炎治療は外用薬、紫外線治療、生物学的製剤、JAK阻害薬の全てに対応していることが特徴的です。
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎は、症状が良くなったり悪くなったりを慢性的に繰り返す痒みを伴った湿疹のことをいいます。アトピー性皮膚炎は、原因は解明されていませんが、遺伝的な要因(バリア機能の低下、アレルギー体質)と、環境要因(乾燥、引っ掻くなど)があわさる事で発症するとされます。乳幼児期から症状を発症し、小児期に寛解する場合もあれば、良くなることなく再発を繰り返しながら成人になってもアトピー性皮膚炎の症状に悩まされることもあります。有病率としては小学校1年生で17%程度、中学生になると10%までさがり、重症度も低くなっていくことから全体的には成長とともにアトピー性皮膚炎はよくなることが多いことが知られています。
このように、アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったり長い間付き合っていくことになります。一度きりの診察ではなく、どのように予防と治療を行ってかゆみやガサガサのない状態を保つかをひとりひとりの症状に合わせて診察と治療をしていくことが重要となります。慢性的な病気であるため、早期からアトピー性皮膚炎の治療経験が豊富な皮膚科専門医による治療を受けることが重要となります。
アトピー性皮膚炎の治療と予防
アトピー性皮膚炎をしっかり抑えるには皮膚がスベスベした良いコンディションを保つことが重要です。
アトピー性皮膚炎や湿疹では、①皮膚のバリア機能がうまく機能していないこと②皮膚に炎症が生じていることが特徴です。
ガサガサして皮膚のバリアが壊れている状態が続くとわずかな刺激でも炎症が起こりやすくなり、湿疹がさらにひどくなります。この状態では、かゆみも強くなるためさらに引っ搔いてしまいより湿疹が悪化するという悪循環になってしまいます。
つまり、アトピー性皮膚炎の治療に関しては、
①保湿剤でバリア機能をしっかりと保つ。
②炎症が生じてガサガサしたり赤くなってしまった時には炎症を抑える塗り薬を適切に使い、炎症やバリア機能をきちんと元に戻す。
という2点が重要と考えられます。
以前(10年以上前)はリアクティブ療法といって、かゆみ、ガサガサ、赤みといった症状がある時だけ塗り薬を使う治療が主でしたが、途中で塗るのをやめてしまうと症状が悪くなることが多く、治ったように見える皮膚も顕微鏡レベルでは症状が残っていることがわかっています。ですので、症状が悪くなりやすい場所は症状がよくなったと思っても塗り薬を続け、1日2回塗っていたものを1日1回、週に数回と段々と塗る回数を減らしてと症状を抑える治療が効果的なことがわかってきています(プロアクティブ療法)。加賀いけだ皮膚科では、初診の患者さんを中心にアトピー性皮膚炎など湿疹の患者さんには、適宜、プリントを用いて塗り方の指導をさせて頂いています。
アトピー性皮膚炎の塗り薬
ステロイド外用薬
症状が悪化した時には適切な量と頻度でステロイドの塗り薬を使うことが非常に重要です。ステロイドの塗り薬というと副作用が心配と思われますが、適切な使い方を覚えることで副作用を出にくくできます。重要なのは、症状が悪くなった時に過度に怖がらず(インターネットやSNSの誤った情報でステロイドは悪と考えている方が非常に多いです)に、早めに十分な量のステロイドの塗り薬を使って早く治してしまうことです。早めに適切な量のステロイド外用を行うことにより、結果的にステロイドの塗る量を減らして、非ステロイドの外用薬を使うことができます。どのような時に、どれくらいの量で、どうなるまでステロイドを塗るべきかは、皮膚科専門医が診察で確認して丁寧にお伝えしていきます。
プロトピック(タクロリムス)軟膏
プロトピック軟膏はステロイドではない炎症を抑える成分であるタクロリムスが入っている塗り薬です。 ステロイドほどは皮膚の炎症を抑える効果はありませんが、プロトピックはステロイドのような皮膚が薄くなる、血管が開く、といった副作用がないので長期間使っても比較的安全です。しかしながら、 顔に長期間、プロトピックを使うとニキビや酒さを誘発して赤みやボツボツが逆に増えることがありえるので、 定期的に経過をみながら使用していくと良いでしょう。あるいは、プロトピック軟膏以外にも、最近はコレクチム軟膏・モイゼルト軟膏・ブイタマークリームなど複数の非ステロイド系統の薬が登場しているのでそれらを使用することも多いです。 プロトピックの特徴としては、最初に使うときにヒリヒリしたような刺激感があります。 これは薬が効く過程で刺激感を起こす物質を排出させているからであり、効き始めた証拠と考えます。 1~2週間程度使うと、ヒリヒリ感がなくなってきます。 プロトピックは最初のヒリヒリした不快感を伴うこの時期をいかに乗り切るかがポイントとなります。
コレクチム軟膏
コレクチム軟膏はデルゴシチニブが主成分で2020年からアトピー性皮膚炎に使われるようになった、比較的新しいぬり薬です。 アトピー性皮膚炎の炎症を起こしているサイトカインというタンパク質を抑えることができるJAK阻害薬のぬり薬です。 強いステロイドのぬり薬ほどの炎症を抑える効果は期待できませんが、プロトピックのような刺激感も少なく、 特に顔のかゆみや赤み、がさがさに使うことが多いお薬です。お子さんや大人の方の体や手足の症状の軽い湿疹にも使うことがあります。 0.5%が大人用、0.25%が小児用になりますので、生後6ヶ月以上のお子さんのアトピー性皮膚炎でも処方可能となっております。
モイゼルト軟膏
モイゼルト軟膏はジファミラストが主成分の塗り薬で、2021年からアトピー性皮膚炎に処方可能となりました。 皮膚に炎症を引き起こすサイトカインというタンパク質に関連したホスホジエステラーゼ4(PDE4)を抑えて皮膚の炎症を抑えるタイプのお薬です。 モイゼルトは免疫を調節するお薬で、コレクチムやプロトピック、ステロイドのぬり薬とは少し異なります。 コレクチムやプロトピックと同様、長期的な副作用が少ないですが、 強いステロイドのぬり薬ほど効果は強くないため顔・首の湿疹や体の症状の軽い湿疹に使うことが多いです。 モイゼルト軟膏は濃度が2種類(0.3%・1.0%)あり、生後3ヶ月以上のお子様から処方することが可能となっています。
ブイタマークリーム
ブイタマークリームはタピナロフが主成分の塗り薬で、AhR調整薬といわれるジャンルで、2024年からアトピー性皮膚炎と乾癬に処方可能となりました。 非ステロイドの塗り薬としては、アトピー性皮膚炎と尋常性乾癬に処方できる唯一のお薬となります。また、非ステロイド系の塗り薬としては初めてのクリーム基剤なので軟膏がベタベタして苦手な方には使いやすいお薬です。ブイタマーの有効成分であるタピナロフは、細胞質に存在する特定の受容体(芳香族炭化水素受容体:AhR)を活性化して炎症反応を促進する生体内物質の産生を抑制するほかに、皮膚バリア機能関連分子および抗酸化分子の遺伝子発現を誘導して皮膚症状を改善します。コレクチムやモイゼルト、プロトピックと同様、長期的な副作用が少ないですが、 強いステロイドのぬり薬ほど効果は強くないため顔・首の湿疹や体の症状の軽い湿疹に使うことが多いです。アトピー性皮膚炎では、12歳以上から処方が可能です。尋常性乾癬に対しては、成人になってから処方が可能です。
アトピー性皮膚炎の紫外線治療
アトピー性皮膚炎は紫外線治療が保険適応で受けることができます。3割負担で約1000円程度の自己負担です。 加賀いけだ皮膚科では、ナローバンドUVBと呼ばれる有害な紫外線の波長を除いた光線療法の機器であるJTRAC(JMEC社)を導入しております。紫外線を当てると皮膚の炎症を調節・抑制することができ、湿疹の赤み・かゆみ・ガサガサを改善することが期待できます。 治療効果を考えると週2~3回の紫外線治療が理想ですが、通院頻度を考えて週1回程度の照射から開始することもあります。症状が改善してくると、2週間間隔程度の照射にしていきます。加賀いけだ皮膚科では、患者さんにとって通院しやすいようにするためにJTRACでの治療は時間予約制にしてありますので、お仕事帰りの夕方や土曜日にも紫外線治療を受けることが可能です。 紫外線と言っても一部の波長のみを選択して体に当てるので、皮膚癌のリスクは基本的には上がらないことがわかっています。 紫外線治療で紫外線を強く当て過ぎると日焼けのような赤みがでてしまうことがあるので、調節して治療していきます。定期的に通院できる方にとっては、副作用もほとんどないよい治療法ですので、お気軽にご相談ください。
アトピー性皮膚炎の生物学的製剤(自己注射薬)
加賀いけだ皮膚科では、アトピー性皮膚炎に対する生物学的製剤の自己注射の治療を行っております。生物学的製剤の導入には、皮膚の症状が中等症以上で、アトピー性皮膚炎の通院歴が半年以上など一定の条件があります。当院では、「イブグリース」「デュピクセント」「ミチーガ」「アドトラーザ」による治療が可能です。アトピー性皮膚炎に対して対する生物学的製剤の治療選択肢がここ数年で増えました。患者さんの症状や希望などに沿って、皮膚科専門医が適切な薬剤を選択します。
イブグリース
加賀いけだ皮膚科では、イブグリース®(レブリキズマブ)の導入を行っております。
初回2本、2週間後に2本投与し、その後は症状に応じて2週間もしくは4週間ごとに1本ずつ注射を行います。
【イブグリースについて】
・半年以上の標準治療でも改善しない中等症以上のアトピー性皮膚炎のかゆみ、皮膚炎がある場合に治療適応があります。
・イブグリースは、IL-13をブロックする抗体製剤であり、比較的安全性が高い薬剤です。
・アトピー性皮膚炎において重要な役割を担うIL-13の作用を抑制することで、皮膚炎や痒みを改善します。
・アトピー性皮膚炎の生物学的製剤としては、初めて高額療養費制度を使わずに1か月あたり約15000円の自己負担(3割負担の場合の薬剤費)で導入できる薬剤として4週間隔の投与スケジュールが可能となりました(2週間間隔の投与では高額療養費制度を使うことになります)。
・結膜炎の副作用はデュピクセントよりも低いことが報告されています。
【イブグリースの対象患者】
・既存治療で効果不十分な成人アトピー性皮膚炎
・12歳以上かつ体重40kg以上の小児で既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎
【イブグリース導入時の注意点】
・直近の6ヶ月間で標準治療を行っていない方(定期的な皮膚科への受診歴がない方)は適応がありません。
・イブグリースの導入が可能かどうかは今までの病歴と直近6ヶ月間の治療経過を確認し、皮膚症状を診察した上で判断させていただきます。ただし、基本的には加賀いけだ皮膚科にアトピー性皮膚炎で6か月以上の期間、定期的に通院して頂いた方に導入となります。
・イブグリースの導入をご希望の際は診察を受けていただき、診察後に導入の日程を調整させていただきます。
【イブグリースの特徴】
・IL-13への親和性が高く、半減期が21.3日と長い薬剤です。
・2週間に1度の投与が基本となりますが、投与開始から4週間後以降(3回目以降)は皮膚症状が十分に改善した時点で4週間に1度の投与に投与間隔を延長することが可能です。それにより、投与負担ならびに費用負担を軽減することができます。もちろん、患者さんの希望にも応じてですが、自己負担額を抑えるために投与開始から4週間以降(3回目以降)も最初から4週間に1度の投与日程で治療を行うことも可能です。この場合は、1か月の医療費(薬剤費)の自己負担は3割負担の方で約15000円となります。
・年収が高い方は治療費が高額療養費の上限に達しないことがありますのでご注意下さい。
【イブグリースの合併症】
・過敏症反応、結膜炎、注射部位の赤み・痛み、ヘルペス感染・寄生虫感染のリスクが増加します。
・ふらつき感、息苦しさ、心拍数の上昇、めまい、嘔気、嘔吐、皮膚のかゆみや赤みなどのアナフィラキシー反応が出ることもあります。
【費用のご負担】
・保険診療ですが、高額な治療になります。
・4週間隔の自己注射の場合、高額療養費制度を使わずに1か月あたり約15000円の自己負担(3割負担の場合の薬剤費)で治療が可能です。
・1回あたりに処方する本数や年収によっては高額療養費制度が適用となる方もいます。
・子ども医療費助成制度が適用となります。加賀市や小松市を含めて石川県内の大多数の市町村は18歳まで自己負担がなく治療を受けることが可能です。ただし、金沢市は中学生までが自己負担額1000円が上限とする医療費助成となっています。
・公務員の方や特定の企業の方は、福利厚生として付加給付金制度(月の医療費の自己負担の限度額が2~3万円程度となる制度)をご利用いただける場合があります。詳細はお勤め先にご確認下さい。
【高額療養費制度に関して】
保険診療は、年収に応じて1か月あたりの医療費の上限が決まっています。
年収が多い方は高額療養費制度の上限を超えず、適応にならないことがあります。
【イブグリースのまとめ】
加賀いけだ皮膚科では、皮膚科専門医により中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんで生物学的製剤の治療希望の方には積極的に導入しております。アトピー性皮膚炎でお悩みの方は、加賀いけだ皮膚科にご相談ください。
デュピクセント
加賀いけだ皮膚科では、デュピクセント(デュピルマブ)の導入を行っております。
体重が30kg未満の小児は4週間ごとに1本の自己注射となります。30kg以上の小児および成人では、初回2本、2週間後に1本投与し、その後は2週間ごとに1本ずつ注射を行います。
【デュピクセントについて】
・半年以上の標準治療でも改善しない中等症以上のアトピー性皮膚炎のかゆみ、皮膚炎がある場合に治療適応があります。
・デュピクセントは、IL-4・IL-13をブロックする抗体製剤であり、比較的安全性が高い薬剤です。
・アトピー性皮膚炎において重要な役割を担うIL-4とIL-13の作用を抑制することで、皮膚炎や痒みを改善します。
・アトピー性皮膚炎の生物学的製剤としては、初めて登場した薬剤です。2018年に処方開始となってから非常に多くの処方数があり、使用実績が最も多い薬剤です。
・アトピー性皮膚炎の生物学的製剤としては、使用実績があるため副作用(顔面の紅斑、結膜炎など)の頻度や対応方法も分かってきている。
・高額療養費制度や子ども医療費助成制度を利用し処方する薬剤となっています。
・結膜炎の副作用が知られています
【デュピクセントの対象患者】
・既存治療で効果不十分な成人アトピー性皮膚炎
・生後6か月以上の小児で既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎
【デュピクセント導入時の注意点】
・直近の6ヶ月間で標準治療を行っていない方(定期的な皮膚科への受診歴がない方)は適応がありません。
・デュピクセントの導入が可能かどうかは今までの病歴と直近6ヶ月間の治療経過をお確認し、皮膚症状を診察した上で判断させていただきます。ただし、基本的には加賀いけだ皮膚科にアトピー性皮膚炎で6か月以上の期間、定期的に通院して頂いた方に導入となります。
・デュピクセントの導入をご希望の際は診察を受けていただき、診察後に導入の日程を調整させていただきます。
【デュピクセントの特徴】
・アトピー性皮膚炎に保険適応のある生物学的製剤として最も使用実績のあるお薬です
・成人や体重が30kg以上の場合は2週間間隔の自己注射となります
・副作用として、結膜炎(目の充血)が知られています
・顔面の症状には治療効果が乏しい場合があります
・年収が高い方は治療費が高額療養費の上限に達しないことがありますのでご注意下さい。
【デュピクセントの合併症】
・過敏症反応、結膜炎、注射部位の赤み・痛み、ヘルペス感染・寄生虫感染のリスクが増加します
・ふらつき感、息苦しさ、心拍数の上昇、めまい、嘔気、嘔吐、皮膚のかゆみや赤みなどのアナフィラキシー反応が出ることもあります
【費用のご負担】
・保険診療ですが、高額な治療になります。
・自己注射の方は高額療養費制度が適用となる方もいます。
・子ども医療費助成制度が適用となります。加賀市や小松市を含めて石川県内の大多数の市町村は18歳まで自己負担がなく治療を受けることが可能です。ただし、金沢市は中学生までが自己負担額1000円が上限とする医療費助成となっています。
・公務員の方や特定の企業の方は、福利厚生として付加給付金制度(月の医療費の自己負担の限度額が2~3万円程度となる制度)をご利用いただける場合があります。詳細はお勤め先にご確認下さい。
【高額療養費制度に関して】
保険診療は、年収に応じて1か月あたりの医療費の上限が決まっています。
年収が多い方は高額療養費制度の上限を超えず、適応にならないことがあります。
【デュピクセントのまとめ】
加賀いけだ皮膚科では、皮膚科専門医により中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんで生物学的製剤の治療希望の方には積極的に導入しております。アトピー性皮膚炎でお悩みの方は、加賀いけだ皮膚科にご相談ください。