毛細血管拡張症とは?
皮膚の毛細血管が拡張して、血管が透けて目で見てわかる状態です。
全身どこでも生じますが、頬や鼻に見られることが比較的多いです。拡張した血管は自然に元に戻るのは難しいです。
血管拡張の種類
単純型:赤色や赤紫色の血管が直線的に拡張している状態。
樹枝状型:赤色や赤紫色の血管が枝分かれして拡張している状態。
クモ状型:360度に血管がクモ状に拡張している状態。
毛細血管拡張症の原因
毛細血管拡張症の原因はわかっていませんが、主に遺伝的な体質、日光の暴露、ホルモンが影響していると考えられます。その他、生活習慣では寒暖差、飲酒などが関係しているとされます。
遺伝的な体質
幼少期から頬などに目に見える線状の毛細血管拡張が目立つ場合があります。生まれつき皮膚の薄い方や色白の方は、皮膚表面から毛細血管が透けて見えやすい傾向があります。
日光の暴露
日光を浴び続けると毛細血管が拡張して線状にチリチリして見えるようになったり、赤ら顔になることが知られています。首からデコルテにかけて服で覆われていない範囲は体でも日光の影響で赤くなりやすい傾向があります。
ホルモン
毛細血管拡張症は女性に比較的多くみられ、特に妊娠中の顔や首、胸などに発生しやすいことが知られています。女性ホルモンの関与から、女性ホルモンの配合薬を使用した場合にも症状が現れる可能性も示唆されています。
寒暖差
暖かい場所と寒い場所を行き来することにより、毛細血管が拡張と収縮を繰り返します。毛細血管拡張症は血管が拡張したままで戻らなくなった状態です。寒暖差も毛細血管拡張の悪化因子として知られています。
刺激物の摂取
唐辛子に含まれるカプサイシンには、血管拡張作用があります。香辛料やアルコールなどの刺激物の摂取は、血流を増加させ、毛細血管が広がりやすくなります。
その他
化粧や鼻のかみ過ぎによる皮膚の擦り過ぎによるもの(物理的な刺激)、アトピー性皮膚炎などの湿疹に対するステロイド外用薬の長期使用、皮膚が薄かったり、肝臓が悪かったりすることで血管拡張が見られたりすることもあります。その他、アルコールの摂取によっても出現しやすくなることが知られています。
毛細血管拡張症の治療の副作用とリスク
毛細血管拡張症の治療の経過、効果、副作用には個人差があります。
赤みやむくみ
レーザー照射中は輪ゴムで弾かれた程度の痛みがあります。軽い炎症を引き起こすことがあり、肌の赤みやむくみは、2~5日ほどで治まります。
内出血(皮下出血、紫斑)
Vビーム照射後に皮膚表面の血管が紫色の内出血を起こす場合があります。通常は1~2週間程度で内出血は改善します。
水疱
まれにレーザー照射後に水疱ができる場合がありますが、通常は2週間程度で軽快します。
毛細血管拡張症の治療
原因があり毛細血管拡張が生じている場合はまずその原因を取り除くことが優先されます(脚の毛細血管拡張であれば静脈瘤などです)。
拡張した血管自体への治療としてはVビームⅡで拡張した血管を壊すことで毛細血管拡張症の症状を改善することが期待できます。毛細血管拡張症は保険診療で対応可能です。加賀いけだ皮膚科ではVビームの最新機種であるVビームⅡを2025年6月より導入しております。石川県内で皮膚科専門医によるVビームの治療を受けられるのは、金沢大学附属病院と加賀いけだ皮膚科の2施設です(2025年6月現在)。
保険診療の場合は3ヶ月に1回の照射となりますが、よく見られる部位では鼻の場合はダウンタイムはあまりありませんが、すぐ下に骨がある場所なので比較的疼痛が強い場所です。鼻の毛細血管拡張症は治療に対して抵抗性で複数回の照射が必要となります。
頬の場合は数回でも、かなり反応が見られますが、VビームⅡの照射の設定によっては照射後1週間程度は腫れが続く傾向があります。
加賀いけだ皮膚科では、保険診療での毛細血管拡張症のレーザー治療を行うことが可能です。毛細血管拡張でお悩みの方は、皮膚科専門医が診断・治療を行う石川県加賀市山代温泉北部の加賀いけだ皮膚科にご相談ください。