加賀いけだ皮膚科|加賀市文化会館となり

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乾癬

乾癬とは

ガサガサとした銀白色の薄皮(フケ、細かいカサブタのようなもの)が付着し、周囲との境界がはっきりし、少し盛り上がった赤い斑点を生じる病気です。頭皮、お尻、すね、肘、膝を中心に症状が出てくることが多いです。皮膚症状が良くなったり悪くなったりを繰り返し慢性的な経過をとります。乾癬は日差しが強い(日光に当たる機会が多い)夏には軽快し、日光にあたる機会が少なくなる冬に悪化しやすくなるなど季節によって症状の具合も変動することが多い病気として知られています。

乾癬の問題は皮膚のみではなく、免疫の異常にも原因があり現在の医学では完治は難しく、医療機関へ定期的に通院して症状をコントロールしていく必要があります。

日本の乾癬患者さんは約40~60万人(人口の約0.3~0.4%)と推計されています。欧米(人口の2~3%程度)と比べると少ないですが、生活習慣の欧米化などの要因から、日本でも患者さんの数が増加しています。男女比に関しては男性と女性が2:1と、男性の方が多いとされます。発症する年齢は思春期から中年以降と幅広いですが、男性では50歳代、女性では20歳代と50歳代が多いと報告されています。

乾癬の種類とは

尋常性乾癬…最も多くみられる通常タイプの乾癬です。

乾癬性関節炎…関節リウマチのような関節痛を伴う関節炎をおこすタイプの乾癬です。

乾癬性紅皮症…全身の90%以上に乾癬の皮膚症状が出来る重症タイプです。発熱や悪寒、倦怠感などを伴う場合があります。

汎発性膿疱性乾癬…膿疱(のうほう)という膿が皮膚にたくさんできてくるタイプの乾癬で、発熱や全身の倦怠感などの強い全身症状を伴います。しばしば、熱と全身の倦怠感、全身の皮疹で総合病院の救急外来などに受診されるケースもあります。膿疱には細菌が含まれていないので周りの人にうつることはありません。指定難病になっており、治療に公費負担があります。

乾癬の症状

乾癬の中で最も頻度が高い尋常性乾癬の症状を中心に記載します。頭、お尻、すね、肘や膝の外側といった特徴的な場所に、ガサガサの銀白色の薄皮(ふけやカサブタのようなもの)が付着し、周囲との境界がはっきりした少し盛り上がった赤い斑点ができます。また、銀白色の薄皮は剥がれ落ちることもしばしばありますし、症状が悪化すると赤い斑点が多発し融合し大きい地図のような形に見えることもあります。

乾癬の症状は風邪やインフルエンザのように一過性に終わるものではなく、慢性的に症状が良くなったり悪くなったりを繰り返します。乾癬はかゆみを伴う場合もありますが、意外とかゆみが少ない患者さんが多いです。かゆみが強すぎる場合は他の病気の可能性を考えた方が良いケースもあります。皮膚以外には爪にも乾癬の症状が出ることが知られており、爪がデコボコにへこんだり、爪が浮いたりと変形します。皮膚と爪以外には、体中の関節の痛みや変形をきたすこと場合もあります。また全身の症状がつよいと全身の炎症があり、発熱を伴うことがあり注意を要します。

乾癬と生活習慣病について

乾癬は糖尿病や高脂血症(脂質異常症)、動脈硬化、高尿酸血症(痛風)などの生活習慣病と密接な関係があるとされています。乾癬を治療する際に、これらの生活習慣病をしっかりと治療することが乾癬の症状をコントロールする際に重要であると考えられています。

乾癬の発症メカニズム

乾癬ではT細胞という免疫細胞のうち、特にTh17という細胞が重要な役割を担っていると考えられています。Th17がIL-17やIL-22という炎症を起こすサイトカイン(化学物質、タンパク質)を放出し、皮膚に炎症が生じます。皮膚にサイトカインが働くと皮膚が厚くなり、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が促進され早くなります。また、皮膚の血管が増え赤くみえるようになります。また、さらにそのサイトカインが全身の関節にも炎症を引き起こし、関節症状(関節痛、関節炎)を伴う関節症性乾癬という病気を引き起こすことが分かっています。また、破壊された関節は不可逆的なので関節症性乾癬は早期に加療することが望まれます。

乾癬の治療

乾癬の治療には大きく分けて、以下の4つの治療方法があります。

・外用療法

・光線療法(紫外線治療)

・内服療法(ネオーラル、チガソン、オテズラ、ソーティクツ、JAK阻害薬など)

・注射療法(生物学的製剤)

乾癬治療の基本は外用療法であり、まずは外用療法から始めます。塗り方の指導も重要となりますので、塗り方の指導をさせていただきます。また、お一人お一人の皮膚の症状やライフスタイルにあわせた外用薬の処方を行います。例えば、ベトベトした軟膏があわないと感じられている患者さんには、無理に軟膏を処方せずクリームやローションなどその他のタイプの塗り薬を提案いたします。

また、ソーティクツ、JAK阻害薬、注射療法(生物学的製剤)の導入は一般的にクリニックでは難しいことが多く、総合病院や大学病院で行われることが多いです。

当院は院長が加賀市医療センターや金沢大学附属病院、石川県立中央病院、富山県立中央病院など地域の基幹病院でこれら全ての治療の経験を積んできておりますので、近隣の医療機関と連携しつつ最先端の治療を通院しやすい地域のクリニックで提供することが可能となっております(当院は2025年8月に加賀市医療センターと連携して乾癬分子標的薬承認施設に認定されました)。

外用療法

ステロイドや活性型ビタミンD3、そして2024年に登場したAhR調節薬の塗り薬があります。ステロイドの塗り薬は炎症を抑える働きが強く、即効性があり短期間で効果が現れますが、長期間の使用で皮膚がうすくなったり、皮膚の感染症を起こしやすくなったりする副作用があります。ステロイドの剤型は軟膏、クリーム、ローション、シャンプー剤など各種あり症状や外用する部位によって使い分けを行います。

活性型ビタミンD3の塗り薬は、効果が現れるのが遅いこと、塗った部分にヒリヒリした刺激感を感じることがあるのがデメリットですが、長期間使用しても皮膚が薄くなったり、皮膚の感染症がおこるといった副作用が増えることがないのが特徴です。ある程度、症状が改善した部位に維持をする目的で使われることが多いです。

また、外用薬で最も効果が高いとされるのが、ステロイドと活性型ビタミンD3が混ざった1日1回塗るタイプの塗り薬です。ドボベットマーデュオックスがあります。ドボベットは軟膏・ゲル・フォームと様々な剤型があることが特徴で、特にフォームが治療効果が高いとされます。ゲルは頭部など軟膏やフォームが塗りにくい部位に処方することが多いです。

AhR調節薬であるブイタマーは乾癬の外用薬としては、初めてのクリーム基剤の製剤です。軟膏の使用感がベタベタして苦手な方でも使いやすい薬剤です。軟膏のベトベトしたテクスチャーが苦手な方は一度ご相談ください。

なお、乾癬の治療で最も多くの患者さんに行われているのは外用療法です。外用療法で効果が不十分な場合は、内服療法や光線療法(紫外線療法)を組み合わせて治療していきます。

光線療法(紫外線療法):ナローバンドUVB

塗り薬が治療の基本ですが、範囲が広い場合や塗り薬で効果が十分でない時には紫外線治療を行います。ナローバンドUVBといわれる波長を出す機械を使います。当院ではJMEC社製の国内産のJTRACという半身型の最新の紫外線治療器を導入しています。JTRACはベッドに寝ながら照射もできますし、車いすに座った状態でも照射することが可能な紫外線治療器です。保険適応で治療が可能で3割負担の方で1020円となっています。治療のスケジュールは週1~2回の照射を行います、症状や患者さんの通院都合にあわせて2週間に1回程度の照射にする場合もあります。だいたい10回程度の照射をすると効果が出てきますので、このタイミングで治療効果判定を行います。

なお、当院での光線療法(紫外線治療)はお忙しい患者さんが治療を継続しやすくするために、時間予約制としております。お仕事や学校帰りの夕方土曜日午前中などライフスタイルにあわせて無理なく通院できます。現在、加賀市内や市外の医療機関で紫外線治療中の方でも当院で紫外線治療を継続することは可能です。当院での紫外線治療をご希望の方は、お気軽にご相談ください。

内服療法:シクロスポリン、チガソン、オテズラ、ソーティクツなど

内服療法は皮疹が広範囲である場合や症状が強く外用療法で効果が得られなかった場合に行う治療法です。

ネオーラル(シクロスポリン)は以前から使われてきた薬剤のひとつです。免疫の働きを抑える作用を持つ薬で、高い効果がありますが、免疫抑制を行うため感染症にかかりやすくなったり、感染症が重症化するリスクが高まります。その他、血圧が高くなったり腎臓に負担がかかるなどの副作用が生じやすいことが知られています。そのため、飲んでいる間は採血や血圧測定などを定期的に行う必要があります。最近は、オテズラやソーティクツなどの治療効果が高く使いやすい内服薬剤が登場しているため、様々な副作用があることもふまえて、最近ではあまり使われなくなってきています。

チガソンはビタミンA誘導体であり、乾癬で生じている皮膚のターンオーバーの亢進を調節する働きがあります。内服継続により肝臓に負担がかかることもあり、飲む量によって皮膚やくちびるなどの粘膜が乾燥する副作用が出現する場合が多いです。また、男女ともに内服中に子供ができると奇形を生じる危険があるので避妊することが必須となります(飲み終わってから女性は2年、男性は6ヶ月避妊をする必要があります。服用前に同意書を記入する必要があります)。こちらの薬剤もネオーラル(シクロスポリン)と同様に近年はあまり使われない薬となってきております。

オテズラはPDE4阻害薬で、2017年に発売になった内服薬です。アプレミラストが主成分のお薬です。作用機序としては、PDE4の活動を阻害して免疫バランスを調節し、炎症を抑える働きを示します。オテズラはシクロスポリンやチガソンと同程度の効果がありながらも、シクロスポリン等と比較して副作用が少なく、使いやすいお薬です。注意点としては、消化器症状の副作用が比較的頻度が高いところです。下痢や胃腸の不調がおこりやすいので、少量から飲み始めていきます。また、これらの消化器症状は内服継続で段々慣れてくることが多いです。

ソーティクツは、2022年に発売された乾癬に対するTYK2阻害薬という内服薬です。TYK2はJAK(ヤヌスキナーゼ)1,2,3と並んでJAKファミリー分子の一つです。インターフェロンαなどの乾癬の発症に役割を果たす1型インターフェロンや、IL-12やIL-23といった乾癬の症状に関係するサイトカイン(化学物質)の働きをブロックします。ソーティクツは内服薬ですが生物学的製剤(注射療法)の治療効果にせまるほどの効果を示します。当院は乾癬分子標的薬使用承認施設(2025年8月承認)ですので、ソーティクツや注射療法(生物学的製剤)の導入が可能です。ソーティクツや生物学的製剤の導入は加賀市医療センターなど近隣の医療機関と連携して行うこととなります。

生物学的製剤による治療(注射療法)

バイオ製剤(生物学的製剤)と呼ばれる、乾癬の原因物質であるサイトカイン(化学物質)を直接阻害する薬です。当院は北陸の皮膚科クリニックでは数少ない生物学的製剤使用承認施設です。生物学的製剤を導入する患者さんは外用薬や紫外線療法、内服薬などで治療しても乾癬の症状がコントロールできない重症の方が適応となります。現在、多数の薬剤が乾癬に保険適用となっており、症状に応じて使い分けます。導入する際には、胸部レントゲン検査やCT検査などが必要なため、近隣の総合病院や患者さんのかかりつけのクリニックと連携していきます。

まとめ

加賀いけだ皮膚科では外用療法・光線療法・内服療法・注射療法のすべてに対応可能です。これらの治療に対応可能なクリニックは南加賀地区(加賀市、小松市、能美市、川北町)では、当院を含め2施設のみです。福井県のクリニックでは、これらの治療が全て可能な施設は、1施設のみです(2025年8月現在)。南加賀地区および福井県在住の方で乾癬にお悩みの方は、加賀いけだ皮膚科へお気軽にご相談下さい。

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